junichi ishida


  • PHILOSOPHY


    眼で触るように視て、塑像を造形する様に絵の具を重ね、『絵らしい絵』を描きたいと思っています。自分にとって、関わったモノとの間に生じる関係、あらゆる意味でのその『距離感』は決して客観的に測りきれるものではありません。
    絵を描くことでその関係を伸縮させて、結局はその距離感を自分の納得出来る地点に落とし込む様にしている気がします。そこへ敢えて向き合い、作るべき絵に『ある種の強度』が立ち現れることを望みます。
    私の絵は表面的には写実的範疇に留まると言う自覚はありますが、決して写実的範疇の制約にエモーショナルな要素、メタフィジカルの要素を押し殺させない事を意識しています。それは制作姿勢であり、作り出す絵そのものであることが望ましいと考えています。

    少年期、美術館の常設にあるものが『絵画』だと思いました。
    『芸術』の概念に船酔いをしながら二十代半ば、ルーヴルで観たものたちから『美術』を知りました。存在自体を初めて知る絵に出会い、その絵が観る者に『何か』を残したならその絵にはあらゆる意味での肩書や能書きは無用ではないかと言う思いを体験をしました。その経験は以後の自身の在り方を示してくれた様に思います。絵を描くと言う事自体を信じています。
    その都度、自分が思い、感じた事に素直になれればと思っています。また、そういったことが誰か絵を観て下さる方と重なる部分が現われれば画家として幸いです。
    Junichi ishida